「パート研報告」のスタンスは、正規雇用にある問題や非正規雇用化の流れを受け入れ、企業と働き手の双方から追求可能な多様な選択肢を用意して、公正なルールを確保していくというものといえる。対策の具体的方向性としては、(1)政労使による包括的合意形成の推進、(2)多元化した雇用システムの下での雇用の安定性の確保(労働市場全体の安定性を確保していくためには、(ア)無期雇用でも雇用保障にかかわる判断は一律でないことについて理解を深めること、(イ)有期雇用でも適正なルールの確保を徹底することにより、無期雇用と有期雇用の取り扱いに二足の均衡をもたらし、就業実態に応じた雇用契約が選択される方向に持っていくことが重要であるとすること)、(3)パートについての「日本型均衡処遇ルール」の確立、が必要であるとしている。
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この「日本型均衡処遇ルール」は、西欧諸国と日本の雇用システム、具体的には仕事と処遇の仕組みの違いに着目して、日本的な新しいルールを確立する必要があるという視点に基づくものである。西欧諸国においては、同一労働同一賃金原則に立脚して労働時間による差別的取り扱いを禁止する動きが注目されており、一九九七年のEUパートタイム指令では、均等待遇原則を徹底するためのルール化が各国ではじめられてきている。一方、日本では、正社員の間においてすら外形的に同じ仕事でも処遇が異なりうるような現状で、「同一労働同一賃金」原則が公序となっているとは言いがたい。こうしたことが、西欧的な均等待遇原則や労働時間差差別の禁止を導入することはできないという研究会報告のスタンスを決定づけている。