MさんはA社を選ばなかった。別にA社が気に入らなかったわけではない。転職を取りやめ、自ら会社を設立することにしたのである。語学に堪能なMさんはシリコンバレーに知り合いが多く、アメリカの最新プロダクトを日本に販売する日本法人のトップとして、自ら組織を作ることにしたのである。Mさんに惚れ込んでいたSさんはひどく残念がったが、心のどこかでMさんを応援したい気持ちがあったらしい。組織の中で黙々と採用業務を
起業を志して転職取りやめ... の続きを読む
転職の前には就職がある。また、「第二新卒」という言葉かあるように、二〇代前半までの転職なら、会社選びの条件は、新卒の就職から大きく変わらないかもしれない。いきなり断定するようで恐縮だが、学生がどんなに情報集めしても、失敗の可能性なしに自分に適した職場を選択することは不可能だと思う。「三年で三五%辞める」というデータが示す程度の失敗の確率は、努力してもあるものだと、覚悟してほしい(ただし、私は「三年
就職先の選び方... の続きを読む
重要な点だが、雇用調整のうち賃金の低下が、特殊な要因によってもたらされている事実について触れておきたい。最近の賃金の変動が、どのような要因によって起こっているかを少し分析してみよう。定期給与は、一般労働者(つまり正規雇用者)の賃金、パートタイム労働者(非正規雇用者)の賃金、それにパートタイム労働者の比率によって変動する。三つめのパート比率というのは、その賃金が一般労働者にくらべて低いため、パート比
パート雇用増大が賃金低下をもたらす... の続きを読む
一般に経営の自由度を、職務編成の自由度、雇用調整の自由度として捉えるなら、前者の自由度を追求する代わりに、後者の自由度を放棄したのが、日本的経営であり、その雇用システムだということである。これと対比されるのが、職務編成の硬直性と雇用調整の柔軟性から成り立つシステムであり、これがアメリカ的経営であるとみなしてよい。少なくともその典型である職務システムは、レイオフと先任権の制度化により雇用調整の自由度
職務編成の自由度は高いが、雇用調整の自由度に低い日... の続きを読む
Wさんの勤めるソフトハウスが突如破綻宣告したのは、この秋のことである。Wさんにとっては、まさに寝耳に水。事前予告も予兆もなく、あまりにも唐突な破産劇だった。原因は、バブル時期の不動産投資がこげつき、資金繰りが悪化したかららしいが、そんなことはWさんにとってはどうでもいい。「会社がなくなる」という事実だけが、目前に迫ってきた。「早いところ会社を抜けて、次の会社を見つけよう」こういう声も社内にはあった
倒産の事後処理に忙殺... の続きを読む